旧友から「jinaida」さんの絵本を紹介されました。
本屋さんで「Midhi みち」という絵本を発見。
素敵な装丁に惹かれ購入しました。
Michi みち ≒道 … 道しるべ≒栞
私たちは空間に道を示し、お客様の道しるべとなるべくお仕事をさせていただいております。
先日お客様からプランを変更してほしいとのご要望をいただきました。
元々お客様が考えたプランでした。
娘さんお二人のお部屋の広さを同じくらいに変えてほしいとのご要望です。
お客様としては二つの部屋の壁の位置を変えて面積を調整してほしいとのことでした。
でも1室は奥が深く、もう一室は奥が浅いのです。
面積を同じにするためには幅を変えなくてはいけません。
そうすると1室について使い勝手が悪くなってしまいます。
その2室はそのフロアの奥に配置されていました。
私は手前の一室(主寝室)について、出入り口の形状を変えたり、収納の形状を変更したりと
娘さんの2室の部分に触れずにお客様の前でプランの練り直しを始めました。
しばらくしてお客様からこんなご質問が出ました。
「私たちは娘二人の部屋について要望を出しているのになぜあなたは主寝室を検討しているのか。」
確かにお客様から見れば要望とは全く違う部分の検討を5分以上しているわけですから
不安になるのも当然です。
私は説明不足をお詫びしながらこんな説明をさせていただきました。
「娘さんお二人のお部屋が平等の形状になるように道(廊下)を敷きなおしているのです。」
その甲斐あって娘さん用の2室は全く同じ形状で同じ大きさのお部屋になりました。
廊下の形状を整理することで主寝室もコンパクトでありながら以前よりも収納が増え
人気のウォークインクローゼットをご用意できました。
さらに廊下の無駄が減り、物入れを作ることもできました。
廊下≒動線(道)を作り間違えると何とも使いにくい空間ができます。
都市も同じですね。家もそうですし、小さな室内にも動線(道)は存在します。
その検討を誤ると、居心地の悪い空間が生まれます。
面白くない文章になってしまったので
話をjunaidaさんの絵本に戻しましょう。
冒頭の絵本には表紙と裏表紙以外に文字のない絵本になっています。
でもページをめくるたびに、たくさんのみちと,
その周りにちりばめられた無数の物語にワクワクするという
おそらくこの絵本は裏表紙はなく、どちらも表紙なのでしょう。
機会があれば一度お手に取ってみてください。